短期間に腎機能が低下する危険性のある腎炎とは?

慢性糸球体腎炎は通常は年の単位で腎機能が低下します。糖尿病でも10年以上かかります。ところが急速進行性糸球体腎炎(きゅうそくしんこうせいしきゅうたいじん)と呼ばれる免疫の異常によって起きる腎炎は、文字通り数週間から数ヶ月で腎機能が悪化する怖い病気です。これは種々の免疫の異常によって起きる血管炎(自分の血管を異常な抗体が攻撃する)が原因となります。このため攻撃される臓器は腎臓だけでなく、肺など他の臓器も攻撃されるのが特徴で生命が危険にさらされるタイプもあります。比較的若い人たちには膠原病によって起きる場合がありますし、高齢者に特有なタイプもあります。いずれも尿に白血球が出るので腎盂炎と間違われることが多いのも特徴です。腎盂炎で腎臓の働きが低下することは少ないので、数週間で腎機能が低下する場合はこれらを疑わなければなりません。治療は血漿交換やステロイドだけでなく種々の免疫抑制剤を組み合わせて行う必要があります。高度な専門的治療が必要です。2022.3.1

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