薬の副作用が増える。
腎機能が60%未満になるといろいろなリスクが高まります。その1つはいくつかの薬剤の中毒が増えることです。 中毒を起こしやすい薬剤の代表はヨード造影剤です。次に痛み止め鎮痛剤です。3番目はある種類の抗菌薬や抗ウィルス薬です。 その他にも容量を減らさなければいけない薬剤や投与してはいけない薬剤もあります。
心筋梗塞や脳卒中が増える。
次に心筋梗塞や脳卒中、下肢の動脈閉塞など血管が詰まる病気が増えます。喫煙、高血圧、高コレステロールなどがあれば尚更です。特に糖尿病ではこれらのリスクが高まります。
骨粗しょう症が増える。
腎臓はビタミンDを活性化したり、カルシウムやリンの排泄の調節など骨を作るのにとても大事な臓器です。腎不全になると血液中のカルシウムが減少して手や足が攣ったりします。
貧血になる。
腎臓ではエリスロポエチンと言って赤血球を作るホルモンが作られています。このホルモンが減ってくると血色素量が減って貧血になります。
血液中のカリウム(K)が高くなる。
カリウムは心臓を守ったり、塩分の貯留を減らしたり、本来健康の維持には大事なミネラルです。ところが腎臓の働きが低下すると血液中のK値が高くなって心臓を痙攣させたりする危険な状態になることがあります。低すぎるのもいけませんが、K値が5以上にならないように果物や生野菜を控えたり、K値を下げる薬を飲まなければならなくなります。
むくむ
腎臓の働きが低下しても必ずしも浮腫むわけではありません。むしろ夜間などに尿が増えることが多いです。浮腫むとしたら、それは尿からタンパクが多く失われるネフローゼという状態になっている場合が多いのです。また慢性の心不全の方もむくみます。腎臓以外にも浮腫む原因はあります。2022.3.1