慢性腎臓病はその病期(ステージ)により食事療法が異なることから、とても複雑に感じてしまいがちです。ここでは、まずご自分がどの程度食事療法を必要としているのかを知っていただきます。そして、その食事療法を行う基本を学んでいただきます。ここで用いている数値や方針はすべて日本腎臓学会2009年CKDガイドラインに基づいています。なお、透析を行っている方は、さらにリンや水分制限が加わります。この食事療法には透析患者は含まれていません。

 

ステップ1:まずカロリーを決めます

 

  1. カロリー計算の元になる体重はすべて標準体重です。
    標準体重は身長をメートル単位で二乗し、それに22を掛けます。
    たとえば身長が170センチメートルでしたら1.7メートルとなり1.7 X 1.7×22=63.58Kgとなります。
  2. 肥満とは、この22のかわりに25を掛けた値以上の体重の場合です。
    体重計に付随している体脂肪計で測定した値が男性で22%以上、女性で35%以上(18才〜59才の時)の場合も肥満と呼べます。
  3. 糖尿病を患っていて肥満でない場合のカロリーについては主治医に相談してください。
  4. 必要カロリーは身体活動度によって当然異なります。
    ほとんど座っている方は最も低いカロリー、立ち仕事やスポーツをしている方は最も高いカロリーで設定します。
    体重の増減を見ることで適正カロリーかが分かります。高齢(65才以上)でやせている方は栄養不足の危険が高いのでなるべくカロリーを増やすようにします。

 

ステップ2:慢性腎臓病の病期(ステージ)と尿蛋白から、あなたの食事パターンを知りましょう。

 

  1. 慢性腎臓病の病期(ステージ)とは?
    あなたの慢性腎臓病の病期(ステージ)を知るには血清クレアチニン値が必要です。担当医師から聞いてください。
    この値と性別、年齢から本ネットのトップページで【腎臓の働き】を計算してください、
    そうすると【診断結果を見る】ボタンが現れるので、これをクリックすれば解説文の最初に「慢性腎臓病第?病期です」とあります。
  2. 尿蛋白が一日1グラム(g)以上出ているかは、主治医に調べてもらってください。
    また蛋白が出ていて、かつむくんでいる方やネフローゼと診断される方はこれに該当します。
  3. 「厳しい食事療法」とは低蛋白特殊食品を用い、かなり強い蛋白制限を行う方法です。
    効果が証明されていますが、カロリー不足、栄養のアンバランスに陥りやすいので腎臓病の食事指導に習熟した管理栄養士と密な連携で行う必要があります。強い意志が必要です。高齢な方、日常生活の活動度が低い方には難しいことが多いです。

 

ステップ3:自分の食事パターンの内容を知りましょう。

 

食事パターン
一日に食べる
蛋白量
一日に食べる
食塩量
カリウム
(果物や生野菜)の制限
飲水量

(高血圧やむくみが
ない場合)
体重1Kgあたり
1.0〜1.2グラム
8グラム未満* 通常は不用 多めに飲む

(高血圧または
むくみがある場合)
体重1Kgあたり
1.0〜1.2グラム
3〜6グラム 通常は不用 むくみがひどい場合以外は、
多めに飲む
体重1Kgあたり
0.8〜1.0グラム
3〜6グラム 必要になることがある
(1日2000mg以下)
むくみがひどい場合以外は、
多めに飲む
体重1Kgあたり
0.6〜0.8グラム
3〜6グラム 必要になることが多い
(1日1500mg以下)
制限することが
必要になることもある
体重1Kgあたり
0.6グラム以下
3〜6グラム 必要になることが多い
(1日1500mg以下)
制限することが
必要になることもある

 

  1. 同じ食事パターンAでも、血圧が140-90以上ある場合、もしくはむくみがある場合はパターンA2で、これらがない場合のパターンA1よりも食塩の制限が強くなります。
    パターンA1の食塩量は日本のガイドラインでは明確になっていませんが、制限をするに越したことはないので、米国の推奨を採用しました(*)。
  2. 食事の蛋白量は慢性腎臓病の病期が進行するほど、制限が必要になります。
    最も効果があるのはパターンDですが、これは低蛋白特殊食品を購入する必要があります。
    なおカロリー不足になっては意味がありません。
  3. カリウム値は腎臓の働きが悪くなったり、血圧を下げ腎臓を守るための薬を服用することでも増加します。
    通常6以上になると不整脈が出たりして大変危険です。
    ご自分の血液検査で5を超えるようになったら、食事中の果物や生野菜を減らす必要が生じます。
  4. 水分は、通常第5期になるまではむしろ多く取ることで働きの低下する速度を遅くすることが出来ます。
    ただし、むくみがある場合は逆に減らす必要が生じます。
  5. 体重1Kgあたりとは、例えば50Kg(キログラム)の体重で体重あたり0.6g(グラム)とすれば、0.6 X 50=1日あたり30グラムとなります。

 

ステップ4:さー実践しましょう!

 

食塩8g未満の方は?
食塩6g未満の方は?
食塩3〜6gの方は?

 

レシピ集

 

食事療法のQ&A

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