腎臓病について
慢性腎臓病(またはCKD)は危険?
検尿でタンパクや血液が陽性になったり、腎臓のはたらきが60%未満になった状態が3ヶ月以上続くと、原因はともかく慢性腎臓病まんせいじんぞうびょう(国際的にはCKDと略されます)と診断されます。
腎機能が低下していると言われた。
腎機能(じんきのう)が低下しているというのは血液検査でクレアチニン値(よくCRと略されています)が年齢・性別ごとに決められた正常値にくらべて増加していると言うことです。
検尿でタンパク陽性(タンパク尿)と言われた。
2回続けて陽性(±、+、2+、3+と表ます)であれば何らかのタイプの糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)
検尿で血液が陽性(血尿)と言われた。
尿に血液が混じるのを血尿と言い、目で見てもわかるのを肉眼的血尿、検尿でのみ分かるのを顕微鏡的血尿(通常は尿潜血という)と言います。
糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)と言われた。
日本人に一番多いのがIgA腎症(あいじーえいじんしょう)と言う種類の慢性糸球体腎炎です。
IgA腎症(あいじーえいじんしょう)とは?
腎不全になる危険性のある慢性糸球体腎炎のうちでIgA腎症が日本人に最も多い腎炎です。
ネフローゼって?
ネフローゼ(症候群)というのは、慢性糸球体腎炎などで尿にタンパク(主成分はアルブミン)が一日3g以上失われてしまうために、血液中のアルブミンが減少して身体中がむくむ病気の総称です。
腎臓の働きが失われる危険のある原因は?
毎年3万人弱の方が腎臓の機能が失われて透析療法を始めています。その原因で最も多いのが糖尿病です。
慢性腎臓病で高まる可能性のあるリスクとは?
ネフローゼ(症候群)というのは、慢性糸球体腎炎などで尿にタンパク(主成分はアルブミン)が一日3g以上失われてしまうその1つはいくつかの薬剤の中毒が増えることです。
短期間に腎機能が低下する危険性のある腎炎とは?
急速進行性糸球体腎炎(きゅうそくしんこうせいしきゅうたいじん)と呼ばれる免疫の異常によって起きる腎炎は、文字通り数週間から数ヶ月で腎機能が悪化する怖い病気です。
腎機能の値が急に悪化したのですが?
慢性腎臓病で1ヶ月以内に血清クレアチニン(CR)値が30%以上上がった場合は、それまでとは別の原因があるかもしれません。
むくみは全部が腎臓病?
下肢のむくみですが尿に1日3g以上タンパクが出ていれば腎臓病によるむくみです。
腎生検は危険?
腎生検(じんせいけん)というのは図にあるように 背中から超音波で観ながらボールペンの芯ぐらいの太さの針を腎臓に刺して長さ5mmぐらいの組織を数個取ってくる検査です。
ステロイドは危険?
ほとんどの副作用はそのことを周知している医師であれば予防策を講じています。
ご自分のじんぞう病がどの種類で、どれくらい悪いのか、どんな治療が必要なのか、を理解しましょう。
尿検査と血液検査、そして超音波やCT検査で腎臓病の種類はだいたい見分けがつきます。そしてステロイドなど免疫抑制剤を使う治療の必要かは、腎生検による病理検査が必要です。

板橋中央総合病院腎臓内科 院長補佐<医学博士・腎臓専門医・透析専門医>
利益相反(2022年〜)
講演料受領:アステラス、アストラゼネカ、キッセイ薬品、協和キリン、Kyowa Kirin China Pharm、三和化学、バイエル薬品、持田製薬
経歴
- 1976 北里大学医学部卒
- 1981-1985 Baylor College of Medicine, USA
- 1983 NIH Gerontology Research Center, USA
- 1976-2000 北里大学病院腎臓内科
- 2000 腎臓ネット開設
- 2003-2011 秀和総合病院腎臓内科・東京医科歯科大学診療教授
- 2006 NKF International Distinguished Medal受賞
- 2007- Asian Forum of CKD Initiative議長
- 2009-2016 KDIGO国際腎臓病ガイドライン機構常任理事
- 2022 日本腎臓学会名誉会員
- 2011- 現職