腎生検は危険?

腎生検(じんせいけん)というのは図にあるように 背中から超音波で観ながらボールペンの芯ぐらいの太さの針を腎臓に刺して長さ5mmぐらいの組織を数個取ってくる検査です。局所麻酔で行うのでちくっとするくらいですし、所要時間も準備を入れて30分以内です。問題は体の中の臓器に針を刺すので必ず腎臓から出血することです。ですからしっかりと止血をする必要があります。このため私たちのところでは昼前に検査をして、直後から4時間は腎臓の辺りに砂嚢を敷いたまま仰向けで絶対安静をします。その後脚は曲げることが許可され、検査後6時間目に30度までベットを起こしますが、引き続き仰向けのまま翌朝8時半まで絶対安静を取ります。ですからこの検査で一番辛いのはこの絶対安静で皆さん腰が痛いのに悩まされます。翌朝以降は絶対安静はとかれトイレに行くことができますが、検査3日目まではベッド上で引き続き静かにしていただきます。このようにしても100人に一人ぐらいは出血が多くなってしまうことはあります。また血液を固まりにくくする薬を服用している方は1週間前にそれを中止するか、ヘパリンに替えることが必要です。実際に体に傷をつける検査はどんなものでも絶対に安全ということはありません。ですから、その検査をすることが治療に必要かどうか、という判定が必要です。また起きうる危険を十分に周知しその他対処ができる複数の医師によって行う必要があります。 文責 塚本雄介 2022.3.1