いわゆる慢性腎炎とか急性腎炎とか言われるのは、糸球体腎炎のことです。糸球体(しきゅうたい)というのは腎臓で血液から尿を濾し取る毛細血管が糸玉のようになっている部分を言います。腎臓の働きを表す検査をGFRと言いますが、これは糸球体濾過量の略で1分間あたりに糸球体がどれだけ尿を濾し取る力があるかを表現しているのです。この糸球体は一つの腎臓に正常では100万個あり、これが色々な原因で壊れて数が減っていくのが慢性糸球体腎炎で、慢性腎臓病になる多い原因でもあります。その原因の多くは何らかの免疫の異常で起こりますが、日本人に一番多いのがIgA腎症(あいじーえいじんしょう)です。他にもネフローゼの原因になる慢性糸球体腎炎として微小変化型(びしょうへんかがた)、膜性腎症(まくせいじんしょう)、巣状糸球体硬化症(そうじょうしきゅうたいこうかしょう)などもあります。このように慢性に糸球体が壊れていく原因は他にも多く糖尿病、高血圧、痛風、多発性嚢胞腎、膠原病とあげればキリがありません。一方、急性糸球体腎炎は溶連菌感染症によって起きる腎炎で通常は数週間で自然に治癒します。2022.3.1